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  • 2025年7月17日
  • 研究

産業技術学部の大川准教授の論文が国際誌に採択されました

手書き文字と、その特徴をPC上で分析している。本研究では、オフライン筆者識別の性能向上のため、多段階CNNと変形可能なattentionモジュール(M-DCN)を提案し、識別過程の重要領域を可視化するLayerCAMにより説明性と透明性を高めています。

産業技術学部の大川学准教授の研究論文が、査読付き国際ジャーナルIEEE Accessに採択されました。

【研究内容】
本研究は、バイオメトリクス認証等のセキュリティに用いられるオフライン筆者識別において、単語レベル・テキスト独立型識別の性能向上を目指したものです。従来のテキスト依存型手法は、文書全体を対象とする一方で、語数が限られる場合にハンドクラフト特徴への依存が課題となっていました。そこで本研究では、局所的な筆跡変形を捉える多段階構造の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)をエンドツーエンドで設計したうえ、法科学の筆跡専門家の知見を応用した変形可能なattentionモジュールを導入することで、モデルの識別性能・説明性・頑健性を強化しました。複数の大規模公開データセットを用いた実験から、従来手法を上回る性能が確認され、単語レベル・テキスト独立型のオフライン筆者識別における新たな可能性を示しました。今後は法科学、生体認証、文書分類などへの応用を通じて、より汎用性の高い筆者識別技術への進化が期待されます。

【論文情報】
雑誌名:IEEE AccessImpact Factor: 3.6 2024年版 Journal Citation Reports20256月公開情報〉]) (オープンアクセス)
論文名:"Multistage Convolutional Neural Network with Deformable Attention for Word-Level Offline Text-Independent Writer Identification"
著者名:Manabu Okawa
DOI:https://doi.org/10.1109/ACCESS.2025.3586994
研究資金:日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)(課題番号:25K15107)

(広報室/2025年7月17日)