国立大学法人筑波技術大学 筑波技術大学は視覚障害者・聴覚障害者のための大学です。

就職・進路

卒業生インタビュー(保健科学部)

保健学科鍼灸学専攻

井上 萌美さん INOUE Moemi 保健学科鍼灸学専攻[2019年度卒業] 社会福祉法人六三四 勤務

卒業生インタビュー井上萌美さん写真

私は現在、障害者通所リハビリセンターにて、機能訓練指導員として働いています。この事業所には、脳性まひや脳血管疾患、筋の疾患などにより、リハビリ等が必要な方々が通所されています。利用者様の年齢幅は、特別支援学校の高等部を卒業して間もない10代の方から70代の方までととても広いです。主な仕事内容は、利用者様への按摩や運動療法です。按摩は、何某かの原因で体の動きに不具合が生じるとそれを補うために問題なく動く側(健側)を酷使してしまうことにより疲労した筋肉の緊張や痛みの緩和を目的に実施し、運動療法は、動きや機能が十分でない患側のリハビリに実施しています。

私は、幼いころから医療系の仕事に興味がありました。小学生の頃、肢体不自由のある後輩と係ったとき、将来は体に不具合がある人のための訓練に携わる仕事がしてみたいと思っていたことを就活中に思い出し、それに近い仕事ができる今の職場を選びました。利用者様の多くは車いすに乗られていたり装具を着けていらっしゃるので、それらの操作に慣れるまで苦労しました。しかし、在学中に受けた医療センターの見学実習で様々な患者さんと係る機会があり、車いすや装具の操作などを何度か見せていただいたので、最初の一歩を躊躇いなく踏み出すことができました。

また、今の職場に視覚障害のスタッフが入職したのは私が初めてであるため、常に「どのような配慮を必要としているか」、「配慮を必要としない点は何なのか」などを、的確に一緒に働くスタッフや職場に説明する必要があります。そんな時、大学・大学院に在籍した6年間で「自分の障害についてしっかり理解し伝えられるように」と育てて下さった先生方のおかげで、自分のできることを精一杯行い、助けが必要な時は依頼し、その後には、しっかりと感謝の気持ちを伝えることが自然に行えています。

今後は、在学期間中に身に着けた文章スキルも活かして、少しでも職場の即戦力になれるよう努力するのはもちろんのこと、ケアマネジャーの資格取得にも挑戦していきたいです。

【保健科学部案内2024掲載当時】

竹内 亜砂さん TAKEUCHI Asuna 保健学科鍼灸学専攻[2013年度卒業] みずほフィナンシャルグループ 勤務

卒業生インタビュー竹内亜砂さん写真

私は今、ヘルスキーパー(企業内理療師)として、社内の福利厚生施設で社員の健康の維持増進に努めています。

ヘルスキーパーとは、日々デスクワークや出張・休日の運動などによる疲れや不調等の症状を訴える利用者に対し施術を行うだけでなく、今後のケアの方法や心身の健康に関する情報を提供する職種です。

その上で私は、利用者が安心しリラックスできる環境づくりを心がけ、利用者の心身のストレスを緩和させることと、限られた施術時間の中で、より効果的な施術を行うことを目標として、より多くの知識やスキルを身につけるために、外部の講習会への参加や、そこで得た情報を社内で共有するなど、日々自己研鑽に励んでいます。

職場では人間関係に大変恵まれており、私の障害について上司や同僚・利用者がとてもよく理解してくださっています。福利厚生面も充実している為とても働きやすく、ここ最近は毎年有給休暇を利用して、海外旅行へ行くのが趣味になっています。

筑波技術大学在学中は、学生や先生方、附属する医療センターのスタッフ、近隣の大学の学生など、多くの人とコミュニケーションをとる機会が多く、この時の対人経験が今の業務にとても役立っていると感じています。

大学の同窓生とは今も親交があり、障害を持ちながら生活する者同士、相談し合ったり、共感し合ったりしています。

大学の先生方はとても親身に生徒と向き合う方が多く、卒業後の学生にも技術面や転職活動、外部での活動等の情報を提供してくださり、私も未だにお世話になっています。

高校まで特別支援学校ではなく一般校に通っていた私にとって、ここまで障害を理解し支援してくれる友人や先生方と出会えたことは、私自身の価値観や人生そのものが変わるほど大きな出来事であり、筑波技術大学での学校生活や寮生活は本当に毎日が楽しくて楽しくて、私にとってかけがえのない4年間でした。

筑波技術大学の卒業生であることを誇りに思い、未来の後輩たちに胸を張れるよう、今後も社会に貢献していきたいです。

【保健科学部案内2022掲載当時】

保健学科理学療法学専攻

工藤 綾乃さん KUDO Ayano 保健学科理学療法学専攻[2020年度卒業] 保健科学部附属東西医学統合医療センター 勤務

卒業生インタビュー工藤綾乃さん写真

私は理学療法士と鍼灸あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持っています。はじめは鍼灸あん摩マッサージ指圧師として訪問診療に携わっていましたが、次第に理学療法士に興味を持つようになり、新たな挑戦を決意して筑波技術大学に入学しました。理学療法学専攻では大学での講義に加えて学外医療機関での臨床実習が必修なのですが、私が上級生の時は全国的に新型コロナウイルス感染症が蔓延している状況で、私がお世話になった医療機関でも感染対策を徹底しながら臨床実習の指導をして頂きました。

学生時代はスポーツサークルにも積極的に参加しました。なかでもブラインドサッカーに熱中し、女子の日本代表にも選出されました。この競技は選手同士が激しく接触するため怪我が多く、大学で学んだ救急処置やスポーツ理学療法の知識がとても役立ちました。スポーツを通して出会った大学の仲間たちや社会人の方々とのつながりは私の大切な財産です。いまも代表選手としてプレーし続けていますが、いずれは鍼灸・マッサージによるボディーケアと専門的なリハビリテーションでパラアスリートをサポートする立場になりたいと考えています。

現在は、大学附属医療センターのリハビリテーション科で在学中に教わった教員の先生方と共に診療業務を行ないながら理学療法士としての基礎的な研修を受けています。日々の業務では、患者さんに対する診療以外にもカルテ記録やカンファレンス(症例検討会議)があり、そこでは文章作成能力、プレゼンテーション能力が求められます。さらに毎週末の勉強会では最新論文の調査や先生方の研究活動に触れることで刺激を受けています。この環境で自分自身の知識・技術を磨き、将来は総合病院やリハビリテーション病院に勤務して、様々な病気や障害をもつ方々のお役に立てたら嬉しいです。

【保健科学部案内2024掲載当時】

伊東 諄了さん ITO Atsunori 保健学科鍼灸学専攻[2018年度卒業] 千葉県教育庁教育振興部 勤務

卒業生インタビュー伊東諄了さん写真

本学の東西医学統合医療センターで理学療法士として勤務後、千葉県教育庁に就職しました。学生の時に教えていただいた先生達とともに、医療センターで仕事をさせて頂いた経験が、今の仕事に役立っています。

視力は比較的良いのですが、視野が狭く色盲や夜盲があるので、ときどき大変なことはあります。しかし医療センターのリハビリテーション室は広くて拡大読書器などの障害補償機器が充実しているので、とても働きやすかったと感じています。逆に他の施設で思うように働くことができるのかという心配がありました。そこで、定期的に筑波大学附属病院のリハビリテーション部で勉強をさせてもらい、多くの晴眼者と共に働く経験も積むことができました。

就職してからは「もっと勉強しておけば良かった」と後悔の日々ですが、技大時代を振り返ると、たくさんの友達に出会えたことがとても良かったです。スーパーなどでアルバイトをしている同級生や先輩から、いろんな話も聞けました。大学生活を楽しく、そして切磋琢磨した友達とは、今もよく連絡を取り合ってときどき遊んでいます。

技大に来れば、一生付き合える友達もたくさんできると思います。

【保健科学部案内2022掲載当時】

情報システム学科

星野 隼人さん HOSHINO Hayato 情報システム学科[2018年度卒業] 京セラコミュニケーションシステム株式会社 勤務

卒業生インタビュー星野隼人さん写真

私は現在、通信キャリア様のキャッシュレス決済に関連したシステム設計から開発までを主に行っております。設計とは、お客様の要望を聞き出し、それが実際に動いた時にどのような動作をするかを確認し、1つ1つをデータとしてまとめる業務です。開発とは、文字通り、お客様から承認をいただいた設計書をソースコードに起こす業務になります。どちらの業務も大きな責任があり大変ですが、それ以上にやりがいを感じられます。

そんな私ですが、大学時代は特にやりたいことが見つからないまま、「情報システム学科」に入学しました。しかし、そこからプログラミング知識の習得、楽しさの発見、作業効率が良くなるキーボード操作やツールなど、多くのことを学びました。また、クラスメイトとの交流も多く、講義で課された課題を、お互いに切磋琢磨しながら行いました。その甲斐もあって、今の担当業務でもそれが活かされ、根気強くプログラミングができています。

私が所属している京セラコミュニケーションシステムは、大学で習得したプログラミングスキルを活かせる「SE(システムエンジニア)」の採用を行っていて、職場全体で視覚や聴覚の障がいに対する知見がとても深くあり、障がい者1人1人の症状に合わせた手厚い支援があるところに惹かれ、入社を決めました。

採用面接の際に、自分の「見え方」を上手に説明できるようになったのは、大学で学んだ賜物ですし、その説明をしっかり理解してもらえたのは、今の会社だからこそだと思っています。これからも、自分のスキルアップとともに、社会にも、そして会社にも貢献できる人材になっていきたいと思います。

【保健科学部案内2024掲載当時】

上野 裕太さん UENO Yuta 情報システム学科[2018年度卒業] ジェイリース株式会社 勤務

卒業生インタビュー上野裕太さん写真

現在私は、社内研修を行う部署に所属しており、主に新卒社員向けの研修企画、研修レポートの添削(評価)、研修の様子を紹介した社内報記事の作成などを行っています。私は在学中に教職課程を履修していましたが、情報システム学科の講義や演習で得た知識や教育実習の経験が役立っています。

学生時代を思い起こすと、入学した頃はパソコンの知識がほとんどなく、留年せずに卒業できるか心配になるくらいでした。特にプログラミング系の科目では当初は授業について行くだけで大変でした。しかし、先生方が丁寧に指導してくださったおかげで、プログラミングの基礎知識はもちろんのこと、視覚障害者にとって重要なショートカットキーやキーボード操作の工夫などを身につけることができ、無事卒業することができました。さらに、卒業時には学部長表彰をいただくこともできました。全ては、大学の皆様の温かいご指導とご支援の賜物であると思い、大変感謝しております。

就職については当初は就業上の配慮に対する不安がありましたが、配属先の調整、読み上げソフトや各種補助ソフトの導入、オフィスまでの歩行訓練やジョブコーチ支援の手配、同じオフィスビル内の他社の方々への周知など、勤務先の方々に多大なご配慮をいただきました。配属先の決定に際しては、教職課程を履修している点も考慮していただき、希望どおり人事関連の仕事に就くことができました。

現在私が不自由なく働けていることは、勤務先の方々の多大なご支援の賜物であると共に、筑波技術大学で学んだ経験から「このソフトを導入してもらえればこれができる、この点については難しい」ということが適切に伝えられるようになったためであると思います。これからも、支えてくださる全ての方々への感謝の気持ちを忘れずに、社会に貢献していきたいです。

【保健科学部案内2022掲載当時】