国立大学法人筑波技術大学 筑波技術大学は視覚障害者・聴覚障害者のための大学です。

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  • 2022年2月14日
  • 聴覚

日米間でオンラインの国際交流講演会を実施

1月24日月曜日、国際交流加速センター運営委員会の事業の一環として、オンラインでの国際交流講演会を開催しました。米国ギャローデット大学のマーティン・デール=ヘンチ(Martin Dale-Hench)氏とオンラインで繋ぎ、「バイリンガル大学とは?〜ギャローデット大学の世界〜」というテーマでお話しいただきました。ギャローデット大学は世界で唯一のろう学生のための大学で、世界各国からろう者の留学生を積極的に受け入れています。本講演会は、国際交流および語学力向上、異文化コミュニケーションに興味を持つ本学の学生・教職員を対象として、学生27名を含む、計35名の参加がありました。

マーティン氏からは、ギャローデット大学設立の経緯をはじめ、歴代学長や理事、教職員等の組織体制、言語と文化を尊重した教育、新入生への対応、専攻分野、そしてスポーツなどについてお話しいただきました。また、アメリカ手話が自然言語であることを世界に知らしめた経緯や、米国をはじめ世界中に大きな反響を呼んだ、ろう者の学長の選出を求めて学生たちが起こした運動「Deaf President Now (今ろう学長を!)」、そしてろう教育やろう者学、手話言語学、通訳養成など、ろう学生のための大学だからこそ学べる学問についてもお話していただきました。

学生との交流場面では、日米間における、ろう文化やろう難聴者のキャリア、手話表現の相違、そして現地のスポーツについてなど活発な意見交換が行われました。目新しい内容も多く、学生たちも興味津々な様子でした。

参加した学生からは、「情報保障だけではなく、施設環境や言語・文化、そして組織体制など、ろう難聴学生として学びやすい大学とは何かを考える良い機会になった」「本学と共通する部分と特有な部分について知ることができてよかった」「理事や教職員の大部分をろう難聴者が占めていることは驚きだった」「専攻分野が多岐に渡っており、いつか自分もそこに留学してみたい」「今まで学んできたアメリカ手話・英語を現地で生かしてみたい」等といった感想が寄せられました。

上の写真はマーティン氏による講演、下の写真は講演会最後に参加者全員で手をヒラヒラさせながら拍手している様子です。

(国際交流加速センター運営委員会 小林 洋子・井上 正之/2022年2月14日)