吉田 幹矢さんからのメッセージ

吉田 幹矢さんからのメッセージ

1. 情報アクセシビリティ専攻入学のきっかけを教えてください。

PCを操作しながら 群馬大学に在学中、ガイダンスでパソコンノートテイクのアルバイト募集の話を聞き、そこで初めてパソコンノートテイクというものを知りました。 その後、支援活動をはじめたのですが、入学前に高等専門学校で情報を学んだ経験があったこともあり、特にパソコンノートテイクのシステムに興味を持つようになりました。 卒業が近づき、進路を考えていたところ、障害学生支援室の方から筑波技術大学の情報アクセシビリティ専攻のことを聞き、入学したいと思うようになりました。 その後、群馬大学でも実際に使用していた遠隔情報保障システム「T-TAC Caption」の開発者である三好先生にお話をうかがって、受験を決めました。

2. 研究活動はどのようなものでしたか?

パソコンノートテイクは文字による支援方法として多く用いられていますが、教員から聴覚障害学生への一方向の情報発信(情報保障)になってしまっている部分があると感じていました。 聴覚障害学生側から発信する時の情報保障について、システムでサポートできないか、と思ったのがきっかけで、このテーマにしました。 具体的にはT-TAC Captionに聴覚障害学生から発信するシステムを組み込み、一方向ではなく、双方向の、つまりは、コミュニケーションを支援することを目指しました。

途中、聴覚障害学生さんや支援者の方々にシステムの評価をいただいてそれを受けて修正を加える作業を行ったのですが、自分が作ったシステムについてのフィードバックをもらえたことで非常に達成感がありました。

3. 情報アクセシビリティ専攻だからこそ得られたものは?

授業で、いくつかの大学の障害学生支援室を見学させていただいたことが印象に残っています。 このように様々な大学の障害学生支援室の方々に直接お会いできるのは、この専攻ならではかと思います。

また、授業以外でもたくさんの学びの機会をもらえたことも非常にありがたかったです。 例えば、自分は情報保障のシステムに関心があったので、学内の情報保障機材のセッティングをお手伝いさせていただいたり、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)のアルバイトを通じて、さまざまな情報保障のシステムを運用する体験をさせていただけたことも、大きな学びでした。

それから、授業の一環で、アメリカ研修にも参加させていただきました。 ロチェスター工科大学(RIT)で、日本とは違う障害学生支援技術や支援のあり方を目の当たりにできたのはとてもおもしろかったです。 ろう学生たちと交流できたのもとても楽しい思い出になりました。

4. 情報アクセシビリティ専攻での学生生活を振り返って

大型ディスプレイの前でのプレゼンの様子 この専攻は特にいろいろなバックグラウンドを持っている人が集まっているので、何気ない日常会話をしているだけでも非常に勉強になりました。 自分は聞こえますが、ろう者・難聴者・ロービジョン・全盲・盲ろうなど、障害のあるなしや種別もいろいろな方がいらして。 おかげさまで、数ヶ月で手話での日常会話ができるようになりました。 年齢もバラバラで、自分のように大学卒業後にそのまま入学する人もいれば、働きながら学ぶ人、一度退職してから入学してくる人もいました。 他にも、デフリンピックの選手がいたり、現職の学校教員がいたり、青年海外協力隊経験者がいたり。 普段の会話から、いろいろな世界を見聞きできたのが非常に貴重な経験になったと思います。 また、コミュニケーション方法も様々で、自分では普通だと思っていたことが立場の違う他の人には普通ではなかったりして、いろいろな視点や多様性を体験できたと思っています。

5. 現在の職業と今後の夢や目標は?

現在は、富士通株式会社でネットワークサービス事業本部に所属しています。 業務内容としては、企業の社内ネットワークの構築をメインで担当しています。 現地作業もありますが、会社の方針もあり、今は基本的に在宅勤務をしています。

まずは目の前にある仕事について、早く一人前になりたいと思っていますが、社内にある手話部に所属したりして障害に関することも勉強や情報交換を続けています。 将来的にはできたら障害者支援につながる仕事もしてみたいと思っています。

6. これから情報アクセシビリティ専攻で学ぶ人たちへ、メッセージをお願いします。

この専攻にはいろいろな背景を持っている方がいて、本当におもしろいです。 もしかしたら、他の人と自分を比べて、自分が知らないこと、できないことに不安を持ってしまうことがあるかもしれないのですが、ここには先生方や周りの学生など、手を差し伸べてくれる人がたくさんいます。 ぜひチャレンジするつもりで、前向きに研究に向かってくれたらいいな、と思います。