筑波聴覚障害学生高等教育
テクニカルアシスタントセンター

聴覚障害学生支援のための
全国拠点として

平成28年4月から施行された障害者差別解消法により、すべての大学等で障害者への不当な差別的取り扱いが禁止され、障害者への合理的配慮提供に関する義務が課されました。
今、大学等には法律を踏まえた対応が求められています。

筑波技術大学は、平成元年の開学当時より聴覚・視覚に障害のある学生のための高等教育機関として、障害特性に配慮した教育を行うとともに、聴覚・視覚障害者に対する高等教育の充実と発展に寄与してきました。筑波聴覚障害学生高等教育テクニカルアシスタントセンター(T-TAC)は、こうして蓄積された本学の知見を活かし、聴覚障害学生支援の拠点として、聴覚障害学生の大学修学に必要なノウハウを全国に向けて発信しています。

本事業は平成19〜23年度の文部科学省教育研究経費を経て、平成24年度より一般経費に追加配分され、定常的により一層充実した活動を実施できる体制となりました。聴覚障害学生支援に関する相談対応のほか、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)を運営し、全国的な聴覚障害学生支援ネットワークの構築を目指してまいります。

事業概要

筑波技術大学では、平成23年3月11日の東日本大震災の発生以来、被災地域の聴覚障害学生の安否情報収集に協力するとともに、現地のニーズを把握し、全国の学生の協力に基づく遠隔授業情報保障支援の取り組みを行いました。
本事業ではこれらの経験をもとに、全国規模で大学同士の相互支援スキーム拠点事業を形成し、有事の際にも対応できる連携体制を確立するとともに、新たな時代のニーズに対応した支援モデルの創造を図っています。

  • 総合的支援窓口の開設

    聴覚障害者支援のための総合的窓口を開設し、大学や企業または地域社会において聴覚障害者支援に携わる人々を対象に、相談・コンサルティングを実施しています。

  • 各種研修セミナーの開催

    聴覚障害学生支援に必要な技術・知識を身につけた人材を養成するために、高度専門領域に対応した情報保障者の養成や障害学生支援コーディネーターを対象とした研修会の開催、各大学におけるFD/SD研修会への講師派遣を行っています。

  • 支援技術に関する研究開発

    音声認識・遠隔情報保障技術など、最新の技術を大学現場で利用するための実験や研究・開発を行っています。また、手話通話や文字通訳等の情報保障技術の分析を通して、高度専門分野に対応するための情報保障技術について研究しています。

  • 大学・機関間ネットワークの形成

    聴覚障害者支援のための総合的窓口を開設し、大学や企業または地域社会において聴覚障害者支援に携わる人々を対象に、相談・コンサルティングを実施しています。

  • 教材・支援コンテンツの作成

    聴覚障害学生支援に関わる情報を収集・整理するとともに、各大学に利用できる教材や支援コンテンツの作成を行っています。これまでに情報保障者の養成に関する教材や啓発DVD等を作成しており、全国の大学・機関を対象に広く無償配布しています。

ご相談ください

聴覚障害学生支援のための総合的窓口を開設し、高等教育機関や企業または地域社会において聴覚障害学生支援に携わる方々を対象に、コンサルティング・情報提供を実施しています。
本学教職員が専門分野に応じて助言や情報を提供する他、日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)の会員大学と連携した幅広い情報提供、事例紹介など個別的・継続的な協力を行っておりますので、どうぞ遠慮なくご連絡下さい。

お困りではありませんか?

  • 聴覚障害学生の入学が決まったが、何から準備すればよいのかわからない。
  • 聴覚障害学生に対する支援体制について、専門家のアドバイスがほしい。
  • 聴覚障害学生支援に利用できる機器について教えてほしい。
  • 特定の場面に適した情報保障の方法について相談したい。
  • 遠隔情報保障について教えてほしい。

T-TAC活用例

例1支援体制確立を支援します。
その一環で支援者養成講座開講をサポートします。

質問
1年目:聴覚障害学生がはじめて入学。パソコンノートテイクが必要らしいが、どうしたらいいかわからない。
答え
大学を訪問し状況のヒアリング。将来的には学内で独自に養成できるようになることを目標に、パソコンノートテイカー養成講習会の開催方法をアドバイスし、講師を派遣。
質問
2年目:1年間パソコンノートテイクによる支援を実施し、聴覚障害学生のニーズがより具体的になってきた。ノートテイカーもそれに応えたいが...。
答え
経験者向け講座の開催をアドバイス。今後のことを考え、大学がある地域の講師を紹介したり、普段は支援を受ける側の聴覚障害学生に講師をお願いすることも。

例2語学・演習・実験・実習・専門性の高い講義等について、
支援方法をアドバイスします。

質問
聴覚障害学生が医療系の専攻に在籍。これまではパソコンノートテイクを派遣していたが、臨床実習が増え、対応が難しくなってきた。
答え
大学を訪問し、聴覚障害学生、教員、職員にヒアリング。手話通訳を希望したため、手話通訳による情報保障実現の方法を関係者とともに検討、助言。
質問
手話通訳を用いた実習が始まったが、高度に専門的な内容で困難を伴っている。また、突発的に通訳が必要な実習が入るなど、コーディネートの難しさも課題として上がってきた。
答え
聴覚障害学生と相談し、聴覚障害学生を講師とした手話通訳者向けワークショップを開催。また、定期的な関係者の支援検討会開催をアドバイス。

例3メーリングリストを活用して他大学の教職員と
情報交換が可能です。

質問
映像教材への字幕挿入システムを導入したいと考えているが、他大学ではどのようなソフトを利用しているのか、いろいろな例を知りたい。
答え
これまでに事務局で把握している事例をもとに情報提供。さらに広く新しい事例を収集したい場合には、PEPNet-Japanが運営する大学教職員専用のメーリングリストの活用を提案。
質問
学生にも使いやすいシステムがどれなのか知るため、メーリングリストを活用してさらに情報収集したい。
答え
メーリングリストで事例紹介を呼びかけ、得られた回答を質問者にお知らせするとともに、メーリングリストの登録者にも収集された事例の情報を共有。相談への対応を通じて、大学同士の有益な情報共有も実現。