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【学長メッセージ】令和2年度卒業生、修了生、保護者の皆様へ

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令和2年度卒業生、修了生、保護者の皆様へ


卒業生、修了生の皆さん、卒業、修了おめでとうございます。

皆さんは将来に対する志を持って、本学に入学したことと思います。
入学した時にはそれは漠然としたものであったかもしれません。しかし、本学での学びを通して、職業の選択や人生の設計についてより具体的なイメージや計画ができるようになったのではないでしょうか。自分自身の過去から現在、これを客観的視点で捉え、それを基に将来の自分について構想できるようになったとすれば、 本学での学びやふれあいは、今後の人生の礎になることでしょう。2年前からのコロナ感染防止のため、皆さん、また大学にとって、特別な状況が続いてきました。皆さんはオンライン授業という特別なやり方で授業を受けざるをえないというような状況になりました。その中で苦しかったりということもあったでしょう。 けれども一方で、授業に集中ができた、という声も聞こえてきます。

将来、社会はコロナが終息した後もテレワークというものが一般的になってくる可能性があります。 このオンライン授業での経験が将来の仕事の働き方の知識、技術に結びつくといいと思います。
ただ、このオンライン、テレワークでポイントとなるのは、言語で情報が伝達されるということです。 皆さんが求められるのは、言語で示された内容を正確に理解し、自分の考えや意思を言語で表現する力です。 例えば対面による会議では、その場の空気、阿吽の呼吸というようなものが入ることができました。 しかしオンラインになると、より正確に要点を絞って、そして言語を使っていくという能力が求められます。この際に重要なのは、意味伝達の媒体となる言語を使いこなす能力です。 読む、書く、聞く、話すという能力を高めることを意識してください。

これから皆さんが入ってく社会は常に変化しています。 本学で学んだ知識や技術は基礎的なものであり、それを職業や社会の中で活かすためには、自分自身でさらに研鑽していく必要があります。さらに聴覚や視覚に障害がある人たちにとっては、社会の中で、自分のことを説明していくという能力が求められます。例えば、就職が決まった人たちは、すぐに研修というものが始まります。その時に、「私は講師の先生の声が聞くことがなかなか難しい、なので何々してほしい」、あるいは、 「私はパワーポイントで表示されたスクリーンを見るのが難しい。配布された資料を読むことが難しいので何々してほしい」、というような 具体的な説明をすること。そこから会社、あるいは職場の上司や同僚の人達と、では、どうすればいいのかという話し合いが始まります。この話し合いを通して「じゃあ、これをやりましょう。これはできません。」、ということが始まります。具体的にまず伝える、自分が仕事をする上で必要な配慮を伝えるという説明は、皆さん自身がしなければなりません。 周りに迷惑をかけてしまうという気持ちが皆さんの中には生じるでしょう。けれども、まずは自分から勇気を出して説明すること、それが重要になります。その前提として、皆さん自身が仕事に真摯に向き合うこと、あるいは社会マナーを守ること、これが基本となるのは当然です。

さて、皆さんが筑波技術大学で得たものは、知識や技術だけではありません。この大学は同じ障害がある人たちが集まったコミュニティでもあります。ここで作った仲間や先輩後輩というような人々は、これからの人生の宝物、財産になります。社会に入ってからはいろいろな壁があります。その壁にぶち当たって心が疲れてしまった時に、大学の時の友人に連絡を取ってみる。そうすると気持ちが穏やかになることもあるでしょうし、もしかしたら、今直面している課題を解決するためのヒントが得られることもあるかもしれません。仲間と連絡を取るようにしてください。また同時に、筑波技術大学の先生に相談をするということもあります。先生方は卒業後も皆さんのことを支援します。大学ではリカレント講座というものも実施しています。そういうものもよく利用してください。

さて、今日卒業、修了する皆さんの親御さんや、その育ちを支えてくださった皆様へ。今日卒業する人たちは筑波技術大学という他には例のないような恵まれた情報保障、障害補償の環境の中で学ぶことに専念することができました。その結果、彼らは基本的な知識・技術、そして社会性を身につけたと思います。しかし、これから彼ら・彼女らが活躍していく社会、そこではより厳しい環境があることが予想されます。卒業した後に社会での様々な経験を経て、さらに成長していくという人々を私はたくさん知っています。しかしまた社会には色々な壁があります。 そんな彼ら彼女らの成長を見守り、そして、時には励まして支えてあげるということを引き続きよろしくお願いいたします。

本学を巣立った皆さんが目標を持ち、それに向けて充実した人生を送ること。それが皆さんの活躍を通して、社会が変わっていく、インクルーシブな社会が徐々に作られているということを心から願っております。

令和3年3月19日

筑波技術大学
学 長  石原 保志

なお、萩生田文部科学大臣のメッセージが文部科学省ホームページで公開されています。

(総務課総務係/2021年3月25日)