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対談・筑波技術大学に期待すること(川越氏&坂本氏)

川越 寄宿舎生活のことを伺いたいのですが、小中高の寄宿舎を私たちは経験しているのですが、寄宿舎の先生が、すべての日常生活の指導をしてくれます。大学ということで自立出来る方が入っていらっしゃると思いますけれども、そこまでできない方には多少手取り足取りということを伺いましたが、どういったことをしていただけるのでしょうか。

大越学長
大越学長

大越 寄宿舎に関しては、盲学校時代と異なり自分でやらなくてはいけないので、全盲の方でも自立するのが原則です。ただ、最初のうちはアカデミック・アドバイザーや支援担当教員を中心にチームを組み、支援計画を作成し、家族あるいはボランティア、学生アルバイトなどの力を借りて、特別にやってもらうこともあります。最初だけ、お風呂や教室への移動、近くのコンビニまでの歩行訓練などを支援しますが、多くは1~2週間経てば大体出来るようになりますね。

坂本 盲学校というものは意外と一般の社会の中で知られていない現状があります。例えば、盲学校というと見えない子供たちというふうに理解されていますが、実際はそうではないですよね。盲学校でも非常に理解、啓発が大事で、全国盲学校野球大会など、テレビ、ラジオで取り上げて頂けるようアピールしています。

 筑波技術大学に関しても、一般の方にはあまり知られていない、盲学校の教員の中でも知らない人がいます。国立大学であるということさえも知らない。筑波技術大学も出来れば盲学校に出掛けていただいて、出張授業や学生や先生方が一緒になってこういう勉強をしているのだということが分かるイベントをやっていただくとよいのではと思いますが、いかがでしょうか。

大越 貴重な御意見ありがとうございます。本学が一般校や盲学校に十分知られていないということは、ある意味で危機感を感じています。ここ数年、何とか知名度を上げようと、出張説明会、出前授業、大学説明会をさせていただいております。全国の盲学校に手紙を出して、出前授業を希望する所はないですかということをお伺いしています。ただ、盲学校に手紙を出しても、それが父兄の方にまで伝わらないのではないかと思っています。そこで盲学校の高等部の1年生から3年生の生徒さん人数分の大学案内を「各父兄の方に渡してください」と送っています。少しずつ本学の存在を知ってもらうきっかけになってきているのかなと思います。

坂本 盲学校の理療科の先生というのは、現在のところは8割以上が筑波大学理療科教員養成施設の出身ですが、少しずつ大学からも盲学校の先生になる方もふえているのかなと思います。養成施設との連携とか、あるいは教員課程設置を目指す今後の見通し、その辺りはどうなのでしょうか。

大越 理療科教員養成課程創設は、本学の開学当初からの希望です。理療科教員も複数施設で養成し切磋琢磨することが必要だと思います。本学としては、すぐにでも設置したいのですが、制度上の問題もあり簡単ではありません。今後も引き続き理療科教員養成課程設置に向け働きかけを行っていきます。

坂本 現在、一般の教科の教員になっている方で視覚障害者の方がいらっしゃいますが、情報システム学科から高等学校の情報の先生になっているケースはあるのですか。

大越 情報の教員免許、鍼灸、理学療法では保健の教員免許が取れますが、開設の日も浅く、中等部や高等部の教員になった方はまだおりません。鍼灸学専攻では、筑波大学理療科教員養成施設に進学後、理療科の教員になる例が毎年2,3名おります。今後、保健の普通免許の取得は、盲学校の専攻科の教員となった場合、自立教科(理療)の教員免許だけでなくプラスアルファの資格になるのではと思っています。

川越 大学院は設置されて5年ぐらいですが、どのような学生が大学院に進学されるのですか。また、大学院に進学された方々の就職先はどうなっているのですか。

大越 鍼灸、理学療法に関しては、一旦社会で働いてから「大学院で研究をしたい」と希望する方が比較的多いようです。医療系の職場では学会参加の機会も多く「自分も研究したい、学会発表をしたい」と思うようです。就職先としては、鍼灸では大学の教員や治療院で活躍している方がいます。理学療法では、病院に戻り理学療法士を続ける方が多いようです。情報システムでは、将来的には企業に勤めるけれども、その前に大学院で研究をしたいということで入って来る方がいます。大学院修了になると企業の要求度も高くなりますが、それを克服し大企業に就職しています。

また、鍼灸に関しては、最近増えているのが海外からの留学生です。現在もモンゴルから2名、ベトナムから1名来ています。今後も海外からの留学生の受け入れを拡大していきたいと考えています。

最後になりましたが、本日は貴重なご意見ありがとうございました。今、大学を取り巻く国の財政状況は厳しいですが、教育環境を更に高めて、学生さんが安心して学修し、全員が「筑波技術大学に入ってよかった」と思えるような大学を目指していきたいと思っています。皆様のご期待に添えますように発展していければと思っていますので、今後ともご支援の程、よろしくお願い致します。

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