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対談・筑波技術大学に期待すること(川越氏&坂本氏)

対談する3名
対談する3名,左から大越学長、川越氏、坂本氏。

大越 本日は、全国盲学校PTA連合会・会長の川越啓子様、事務局長の坂本俊二様をお迎えしまして、対談を行うことになりました。川越さん、坂本さん、お忙しい中ありがとうございます。

国立大学は、各大学の機能強化に向けた取組などを広く社会にアピールし、財政支援の充実などについて理解増進を図ることが必要であります。外部有識者の方々と対談を行い、その内容を「国立大学フェスタ2015」に合わせて本学のHPで公開し、本学の存在意義等をアピールしていきたいと思います。テーマは「筑波技術大学に期待すること」として、筑波技術大学に求める人材像、筑波技術大学の取組とその成果など、自由に対談したいと思いますので、よろしくお願い致します。

川越氏
全国盲学校PTA連合会会長・川越啓子氏

川越 今回このお話を頂いて、パンフレットや大学紹介ビデオを見せて頂きました。大変恵まれた環境の大学だなということを知ることができました。実際、盲学校の卒業生で、現在、筑波技術大学の2年生と4年生の方に話を伺ったところ、本当に充実した大学生活だということを聞きました。できればもっといろいろな方に知ってもらったらいいのではないかと思っております。聴覚、視覚障害者のための国立大学ということで、障害者に特化した高等教育が行われているわけですが、障害を持った子の親としてはとてもありがたいことだなと思っております。視覚障害があるといろいろな情報が閉鎖され、出来ないことがたくさんあると思うのですが、筑波技術大学ではいろいろなバリアを取り除いて教育されていると思います。その中で、もう少し具体的に視覚障害の学生に対して、「どのような教育をされているか、どのような工夫をされているか」なども含めてお聞かせ下さい。

大越 本学は、将来、専門的な職業人として社会で活躍できることに視点をおいて教育を実施しています。学生の入学時の学力の個人差が大きいため、入学後、基礎的なレベルからかなり高い応用レベルまで幅広く行うことが要求されます。特に、保健学科鍼灸学専攻、理学療法学専攻では、国家試験に合格できないと希望の職業につけないという現実があり、全員が合格できるよう指導しています。今年の国家試験の合格率は、理学療法士100%、あん摩マッサージ指圧師試験は100%、はり師、きゅう師試験は70~80%台で、比較的高い合格率を維持しています。はり師が不合格であっても、あん摩マッサージ指圧師の免許を取得すれば就職はできています。 本学の教育の支援の目玉にアカデミック・アドバイザー制度があります。これは、通常のクラス担任以外に、教員1名につき学生3名程度の割合で、学生の学修支援、生活相談にのっております。また、はり師・きゅう師国家試験対策として補習スタッフを用意して、「ここで一緒に勉強しましょう」と自主学習室に学生を集めて学習を応援しています。

教材は、点字、触図、拡大文字、DAISY、読み上げソフトなど、学生の要望に応じて満足できるよう用意しています。また、24時間開放の共同学習室にパソコンを完備し、学生はいつでも使えます。さらに、専門的な医療実習機器やリハビリテーション機器も十分に揃えており、病院等の医療機器を学生時代から経験できるようにしています。

また、社会で活躍するためにはコミュニケーション能力が重要ですので、海外留学経験、スポーツ大会参加、課外活動、ボランティア活動、企業インターンへの参加など、いろいろな経験を積ませることでコミュニケーション能力を上げたいと考えております。

川越 入試の方法が複数あるようですけれども、その入試の方法については、どのようなものがあるのですか。また、入学したい学生が全国から集まってくると思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。

大越 保健科学部では、推薦入試、社会人入試、アドミッション・オフィス入試、個別学力検査(前期)を行っております。社会人入試については、一旦社会に出てから視力が低下し仕事が出来なくなる人も多く、幅広い年齢層の受験者がおります。

入学する学生はほぼ全国から集ってきていますが、入学者の確保が大きな課題になっています。どうしても全国の盲学校の理療科と競合してしまうので、鍼灸学専攻は入学定員を確保するのに少し苦労をしております。理学療法学専攻では定員は確保できていますが、学外病院での臨床実習をクリアするにはかなりのレベルが要求され、国家試験の問題も難くなっており、卒業までの道のりは決して平坦ではありません。情報システム学科は、今のところは定員の約2倍の受験者が集まっています。

坂本 私の場合は、全国盲学校PTA連合会事務局長以前は、盲学校の教員を16年、校長を9年やりまして、盲学校の経験が25年、教員生活の半分以上を盲学校でお世話になりました。その関係もありまして、今、事務局をお手伝いさせて頂いております。盲学校の生徒の中には、視覚障害だけでなく、他の障害を合わせ有する子供たちの割合が増えています。実際、筑波技術大学では視覚障害と合わせて他の障害を持っている学生さんはどれくらいいらっしゃるのですか。

大越 実際、多様な障害の学生が入学しています。正確な人数は分かりませんが、軽度の難聴があり補聴器を付けている学生さん、内部障害で人工透析している学生、車椅子を使っている学生さんもいます。トイレを車椅子対応にするとか、段差を解消するなどのバリアフリー化を進めております。入学時には全く分からないのですが、発達障害や精神障害がある学生さんもいるようです。ただ、本人がオープンにはしてほしくないという希望もあり正確な数字は分かりません。

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