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Q手話通訳者の頸肩腕障害には何か特徴がありますか?

手話通訳には単に手や指の反復動作だけでなく、手話動作に関わる身体的負担に、通訳に関わる中枢神経系への負担が重なるのが特徴的です。

■身体的負担
手話では手や指や腕だけでなく、口の動きや表情も表現方法として用いられます。手指の動きや表情等が聴覚障害者の視野の中で同時に示される必要があり、手話通訳者は、手指を胸の高さで動かすために、腕を宙に浮かした状態で手話動作を行うことになります。しかも、同時通訳なので話し言葉の早さに合わせて、手指や腕を高速で動かし続けます。

さらに手話通訳者は同時通訳を行っているため、腕や肩の筋が疲労し「だるさ」や「痛さ」や「しびれ」などのサインを発していても、話し手が休憩するか通訳者が交代することがない限り通訳を止めることができません。こうした手話通訳の特性が筋の過度の疲労を招き頸肩腕障害を発症させます。

■中枢神経系への負担
手話通訳者は、「聞き取り」通訳と「読み取り」通訳という性格の異なる通訳を行います。「聞き取り」通訳とは、音声語を聴き取って手話に通訳することです。「読み取り」通訳は、手話を目で観て、音声語で表現する作業です。いずれの通訳も同時通訳ですから、高度で高密度な脳(中枢神経)の働きが必要です。

一度通訳が始まれば手話通訳者の疲労の状態に合わせて休憩を取ることは困難になりますので、その結果、中枢神経の疲労が進行します。慢性的に中枢神経が疲労すると、不眠になったり、気持ちが落ち着かなくなったり、イライラ感を生じたり、ものが考えにくくなったり、気持ちがふさぐような精神状態になっていきます。

TipSheet「通訳者の健康障害とその対応」垰田和史より
(2007/11/30)


参考になる資料

通訳者の健康障害とその対策については、以下のTipSheetに概要がまとめられています。

チップシート健康障害1チップシート健康障害2

TipSheet「通訳者の健康障害とその対応 ⑫」
 垰田和史(滋賀医科大学社会医学講座予防医学分野)

 はじめに
 頸肩腕障害とは
 手話通訳における頸肩腕障害問題の経過
 なぜ手話通訳者は頸肩腕障害になりやすいのか
 手話通訳者の健康を守るための注意事項
 おわりに
→ダウンロード(pdf)


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