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第13回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム


 2017年10月28日・29日に、札幌学院大学(北海道江別市)を会場として、「第13回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム」を開催しました。
 当日は本州付近の台風接近のため、飛行機での帰路が心配されましたが、全国の大学教職員・学生等378名(関係者含む)にご参加いただきました。北海道での開催にも関わらず、道内外から多くの方々にご参加頂きまして、心より感謝申し上げます。

【1日目 アフタヌーンセッション】
 1日目には実践事例コンテストや教職員実践発表、ミニセミナーや各種展示、事例討論会など複数の企画を並行して行うアフタヌーンセッションを行いました。

■聴覚障害学生支援に関する実践事例コンテスト2017
シンポジウム コンテスト会場の様子  全国の15大学から19件の応募があり、情報保障に関する創意工夫や、チームの力で運営する支援者養成や交流企画など、さまざまな取り組みについて発表されました。趣向を凝らしたポスターを作成したり、説明・発表の方法を工夫するなど、より多くの人に日々の取り組みについて知ってもらおうという熱気にあふれていました。
 また、本コンテスト企画が今年で10回目の開催を迎えたことを記念し、これまでの歴代受賞ポスターを展示し、各大学の取り組みを振り返ることができました。
『聴覚障害学生支援に関する実践事例コンテスト2017結果発表』のページ へ

■教職員による聴覚障害学生支援実践発表2017
教職員による聴覚障害学生支援実践発表 会場の様子  全国の13大学・団体にご応募頂き、日頃の聴覚障害学生支援実践について参加者との情報交換を行いました。教職員を対象とした企画のため、各大学での新たな取り組みの紹介や、実践研究的な報告もあり、参加者との情報交換が絶え間なく行われていました。


■事例討論会
 少人数で具体的な事例についてディスカッションを行いました。事例は「手話通訳による支援の現状と課題」「補聴援助を必要とする学生に対する支援の現状と課題」の2テーマを設け、各テーマに精通したファシリテーターによる進行と、参加者の積極的な発言により、充実した議論を行うことができました。いずれの回も予想を上回る参加人数で、用意した席では足りないほどのご参加を頂きました。
事例検討会の様子

■ミニセミナー
ミニセミナーの様子  今回は2つのテーマでのセミナーを実施しました。1つは、北海道地区での地域連携をテーマに、3団体(北海道高等聾学校、要約筆記通訳者サークル ふきのとう、札幌市内ろうあ者相談員)からの活動紹介と、大学等との連携可能性についてお話を頂きました。2つ目は、「第二次まとめを読む―障害のある学生の修学支援に関する検討会報告の概説」をテーマに、検討会メンバーのお1人である村田淳氏(京都大学 総合支援センター 障害学生支援ルーム)よりご説明を頂きました。本報告で特にポイントとなる点や、関連する法律についてお話頂き、障害学生支援の基礎知識を深められる機会となりました。
ミニセミナー1 北海道地区関連団体の紹介
ミニセミナー2 「第二次まとめを読む」―障害のある学生の修学支援に関する検討会報告の概説

■「筑波技術大学 機器展示・活動紹介」
展示会場の様子  今年の展示企画では、筑波技術大学の教員や大学院生による研究や活動の紹介を中心に実施しました。ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクトによる、ろう当事者の社会で活躍する様子の紹介や、最先端の研究に基づく情報保障支援ツールに触れることのできる場として、会場は大変賑わいました。

展示の内容は以下の通りです。
●遠隔情報保障システム「T-TAC Caption」
(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 三好茂樹准教授)
●ウェブベース遠隔文字通訳システム「captiOnline」
(筑波技術大学産業技術学部 若月大輔准教授)
●人の視覚特性を考慮した字幕の点数化
(筑波技術大学産業技術学部4年 吉家泰地)
●補聴相談 活動紹介と相談対応
(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 佐藤正幸教授)
●聴覚障害者のための社会連携・協調型教育拠点の構築事業(高大連携プロジェクト)
(筑波技術大学産業技術学部 谷貴幸教授)
●ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト
(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 大杉豊教授)
●大学院技術科学研究科アクセシビリティ専攻 紹介
●障害者高等教育拠点事業 活動紹介

■「北海道地区関連団体等 活動紹介」
関連団体活動紹介の様子  開催地での地域連携の促進の1つとして、関連団体による活動紹介の展示を行ないました。聴覚障害学生の在学中のみならず、入学前や卒業後にも活用できる様々な地域のリソースについて、情報を得られる貴重な機会となりました。

ご協力頂いた展示団体は以下の通りです。
 ●札幌市内ろうあ者相談員
 ●北海道高等聾学校
 ●さくら補聴器センター
 ●要約筆記通訳者サークル「ふきのとう」

 展示スペースではこのほかに、PEPNet-Japan活動紹介として23の連携大学・機関の紹介パネルの展示やPEPNet-Japan成果物の展示などを行いました。また、本シンポジウム実行委員協力校の活動紹介もポスター展示を行い、大変多くの方が足を止めてご覧になっていました。
連携大学活動紹介・実行委員校活動紹介ブースの様子

 また、夜には学生交流会を開き、全国の学生約90名にご参加頂きました。札幌学院大学の学生を中心に企画・進行が行われ、工夫を凝らしたゲームで時間があっという間に感じられるほど盛り上がりました。
学生交流会1学生交流会2

【2日目 分科会/全体会】
 2日目は、午前中に4つの分科会を、午後には全体会・パネルディスカッション・実践事例コンテスト表彰式を行いました。いずれの企画も充実したディスカッションが行われ、全体テーマである「障害者差別解消法から1年を経て」改めて考えるべき課題を見つめることができました。

■分科会1「基礎講座 のぞいてみよう!大学の聴覚障害学生支援」
分科会1の様子  基礎講座と位置づけた本分科会は、これから大学に入学する高校生や、まだ支援体制が十分に整っていない大学の学生・教職員等を主な対象者として開催しました。まずはじめに、池谷航介氏(岡山大学)より、なぜ大学で支援が提供される必要があるのかについて、障害者差別解消法を中心にお話を頂きました。続いて、大学の事務組織が中心となって支援を進めている例を森重尚子氏(酪農学園大学)から、支援室が中心となって支援を進めている例について太田琢磨氏(愛媛大学)より報告がありました。実際に支援を受けながら学び、卒業した辻川南氏(聴覚障害当事者)の経験談もあり、参加者はそれぞれの支援を一歩前に進めるために必要な力を得られたようでした。

■分科会2「10年後の聴覚障害学生支援のあり方について考える―北海道から語る地域連携とリソース共有―」
分科会2の様子  障害者差別解消法の施行を受け、障害学生支援が義務となった今、大学による支援の不均衡が大きな課題となっています。この課題を解消していくために、地域全体で学生を支援していく体制構築について、藤野友紀氏(札幌学院大学)の司会のもと検討を行いました。北海道地区での地域連携については、新國三千代氏(札幌学院大学)、佐々木薫氏(北星学園大学)、三輪紅氏(要約筆記通訳者サークル ふきのとう)より、それぞれの立場からの課題の提示と、連携していくための具体的な手立てについても議論を行いました。その後、京都地区で実施されている大学間連携の実践事例について土橋恵美子氏(同志社大学)よりお話頂き、10年後の北海道地区のあり方について目標を明確に定めることができました。

■分科会3「教育の質保証と障害学生支援のあり方をめぐる問題―合理的配慮と教育の質の間のジレンマ
分科会3の様子  分科会3では、PEPNet-Japanの企画として初めて「教育の質」というキーワードを取り上げました。まず司会の松川敏道氏(札幌学院大学)から、「大学教育の質保証」「合理的配慮と本質の変更不可」「聴覚障害学生にとっての教育の質」などいくつもの視点があることが確認された上で、3件の話題提供をいただきました。
 田口達也氏(愛知教育大学)からは英語教育において支援と質保証のジレンマが生じた事例、中野聡子氏(大阪大学)からは、語学や大学院教育、教育実習における教育の本質についての事例、柏倉秀克氏(日本福祉大学)からは文部科学省の検討会における教育の本質に関わる議論と、今後検討すべき事項の整理をいただきました。大学全体として、各授業の教育の本質がなんであるかを明示していくこと、また、一つひとつのケースについて教育の本質を見極めながら合理的配慮を提供して行くことの必要性が提起されました。

■分科会4「聴覚障害学生の意思表明を支える関わりとは」
分科会4の様子  合理的配慮の出発点となる聴覚障害学生からの意思表明を促すために、どのような支援が必要となるのかをグループでの議論を中心に進められました。立場別にグループに分かれ、まず聴覚障害学生グループでは、「ディスカッションや友人との雑談でのコミュニケーション」をテーマに、普段どのように工夫しているか、お互いに経験談を出し合いました。教職員グループは「支援に関する説明や具体例の提示方法」や「卒業後を見据えた意思表明」について話し合い、学生に寄り添うだけでなく、様々な場や人と在学中から結び続けていくことも意思表明支援に重要ではないかという意見が出されました。最後に、支援学生で構成した2つのグループでは「利用学生とのコミュニケーション」について悩みを共有しながら、各大学での取り組みを情報交換しました。どのグループでも活発な議論が行われ、時間が足りなくなるほどでした。 本企画は吉川あゆみ氏・有海順子氏・益子徹氏・甲斐更紗氏(関東聴覚障害学生サポートセンター)により進めて頂きました。

■全体会 パネルディスカッション
パネルディスカッションの様子  「障害者差別解消法から1年を経て考える―障害学生の権利・教育機関の役割―」をテーマに、パネルディスカッションを行いました。司会に伊藤康弘氏(北海道大学)を迎え、講師として武田太一氏(日本福祉大学卒業生)、松﨑丈氏(宮城教育大学)、石原保志氏(筑波技術大学)が登壇し、話題提供やディスカッションがなされました。
 はじめに、聴覚障害学生の権利保障のあり方や教育的な支援の是非などについて、それぞれの立場からの話題提供をいただき、その後「合理的配慮と教育的な支援は相反するものか」という大きなテーマで議論が交わされ、今後の我が国における障害学生支援の将来像を模索する機会となりました。

本シンポジウムの開催にあたりましては、企画コーディネーター、講師等、多くの方々にご協力頂きました。また、ご参加頂きました皆様にも厚く御礼申し上げます。

2017年12月22日
日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)事務局


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