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『モバイル型遠隔情報保障システム』の研究所・
工場見学における利用者の使用感~聴覚障がい学生に対するアンケートの解析結果から~

 ここでは、本プロジェクトで実施した工場見学における聴覚障がい学生へのアンケートの結果について記します。工場見学は筑波技術大学の授業の一環として行われ、つくば市内の企業の研究所および工場の見学時に、それぞれの学生にiPhone 3Gを1台持ってもらい、ガイドの方の発話内容を表示しました。見学の後、参加した聴覚障がい学生9名にアンケートをお願いしました。以下に質問内容と結果の一部を示します。聴覚障がい学生に対するアンケート結果

【質問1】字幕サポートは講師等が発話した内容の理解に役立ちましたか?
(3:非常に役立った~-3:全く役立たなかった)
【質問2】今後、このシステムは必要だと思いますか?
(3:非常に必要である~-3:全く必要ない)
【質問3】字幕による情報保障を受けづらい状況(体育や見学など)では、今回の携帯電話のシステムは、どの程度役立つと思いますか?
(3:非常に役立つ~  -3:全く約立たない)
【質問4】表示された字幕の内容で、わかりづらい点はありましたか?
(3:非常にあった~-3:全くなかった)
【質問5】字幕の表示までの遅延は気になりましたか?
(3:非常に気になった~-3:全く気にならなかった)

 図1にアンケートの結果を示します。■は平均値、棒の長さが標準偏差(意見のばらつき)を表します。質問1と質問2は全ての学生から最も良い評価が得られ、講師等の発話内容の理解に非常に役に立ち、今後本システムが必要だと強く感じていることがわかります。また、質問3からは移動を伴う状況での情報保障手段として、本システムが役に立つと考えていることがわかります。質問4と質問5では、字幕のわかりやすさと字幕の遅延についてはどちらかというとわかりやすい、遅れが気にならないという結果になりました。これは「より多い」「より速い」情報(字幕提示)を求めている聴覚に障がいのある学生がいることによるものです。

 今回の工場見学のアンケートから、あらためて本システムの特徴である移動を伴う環境での利用に対して、非常に高い評価が得られました。自由記述にも今後の発展に期待する声が多くありました。その一方で、より多い、より速い情報提示への要求もあり、今後ますますモバイルの特徴を生かした「どこでも」質の高い情報保障が受けられるシステムとしての発展が期待されます。

国立大学法人 筑波技術大学・産業技術学部

准教授 河野 純大

2010年5月31日

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